郡司 彰
ぐんじ あきら
参議院議員/茨城選挙区
○郡司彰君 民主党・新緑風会の郡司彰でございます。
 今日は、中川大臣に所信を伺いましたので、それに対して質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 私、八年前に国会に参りましたときの農水大臣が中川大臣でございまして、数えてみましたら、また十人目で農水大臣にお返りになったということでございます。この間、私自身も、また私の党もでございますけれども、顧みて、反省すべきを反省をし、謝罪すべきは謝罪をして新しく取り組むと、その辺が肝心なところだということにようやく立ち至りましたので、今日は、これまでのところ、振り返らなければいけないところを振り返ると、そのような視点で質問をさせていただきたいなというふうに思っております。
 まず、三ページ、四ページにWTOそれからEPAの交渉について記載がされてございますけれども、私、ちょうど一年間ほど農水委員会を離れておりました。それまでは、おおよそWTO、それからFTAというような言い方が多かったわけでありますけれども、戻ってまいりますと、EPAというような言い方の方が主流になっておりまして、そこのところは、FTAというのはどうも市場原理一辺倒な感じが受ける。経済連携協定、EPAになりまして、交易を通じて相手方の国力も向上さしていこう、そういう関係をつくっていこう、そんなふうに理解をしているところでありますけれども、二〇〇四年の十一月に、ここの中にも記載がありますけれども、みどりのアジアEPA推進戦略というものができ上がっているかと思いますけれども、概略どのような内容か、お知らせいただければと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 私も最初のころはFTA、FTAと呼んでおりましたが、これはフリートレードでしたけれども、より広い概念で、エコノミック・パートナーシップということで、サービスとか人材育成だとか技術だとか、そういうところも含めてEPAと最近は政府としても言っているところでございます。
 みどりのアジアEPA戦略というのは、やはりこれはヨーロッパでも、あるいは南北アメリカでも、あるいはアフリカでも、あるいは中近東のGCCでも、やっぱり近隣諸国、また特に自由な経済体制で法制度がしっかりしている国と連携を取っていくということは、特に隣だからこそメリットがより大きいんだと。
 例えば、ASEAN十か国、約五億数千万の人々がおられますし、大変に発展をしております。そういう意味で、シンガポールに続きましてマレーシアも合意ができたと。あと残りの国と今交渉をいろんな段階でやっているところでございますけれども、共通点が非常に多いと。そしてまた補完する部分も非常に多いということで、特にタイの場合には、タイは世界の台所を目指すんだとか、あるいはアジアのデトロイトを目指すんだという大変壮大な目標を持って、それに対してウイン・ウインでタイとEPAを結んで、より両国がいろんな面で向上していこうということで、日本の場合の最重要のEPA対象地域はASEANを中心とした東アジアであると。もちろん、南米とかスイスとかほかの国も大事でありますけれども、やはり近いところの自由な活力がある経済地域とEPAを結ぶということが当面の最重要課題であるということで、アジアのEPA戦略ということで今交渉に携わっているところでございます。
○郡司彰君 この所信表明をめくってまいりますと、括弧書きのところがございまして、例えば三ページ、四ページの関係で言いますと、「多様な農業の共存」、それから、「守るところは守り、譲るところは譲る、攻めるところは攻める」、これは今お話しいただいた戦略の中で使われているのをこちらにも使ったと、そういうふうなことで理解をしてよろしいんだろうというふうに思います。
 それで、EPAの関係で言うと、農業に関するもので言うと、メキシコの方が具体的に二〇〇五年の四月からまもなく一年が経過をしようとするところで、どのような影響といいましてもまだ一年たっておりませんから、それほどのことはないのかもしれません。最初に動き出す前の取決めで、千二百品目については関税を撤廃をする、五品目については削減あるいは別枠を作ると、こういうような形になったわけでありますけれども、この関係を一般的に世の中ではどういうふうにとらえるのかというふうなことで、時事の事典等がたくさん出されておりますから、そこで見させていただきました。そうしますと、日本はメキシコに鉱工業製品の市場開放を求める反面、農産物や皮革、履物の関税撤廃を求められ、約千二百の品目で関税を撤廃をし、というふうに書いてありますけれども、大枠、このEPA、鉱工業製品を開放してもらって農産物の方は関税を撤廃する、しかしそれだけではいけないのでありますから、守るべきところは守り、攻めるところは攻める。しかし、大宗は今のような感覚でよろしいのか。
 たまたま大臣は前任と今の任と両方の関係もありますので、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 郡司委員には前任のときも大変鋭い御質問をいただきましたけれども、メキシコとやろうということを決めたのは幾つかの理由があります。
 一つは、メキシコが当時で三十五、六のFTA、EPAを既に結んでいるFTA大国、まあ、メキシコの人に言わせると、南北あるいは東西の十字路に我がメキシコはあるんだということでございます。あと、ちょっとこれは歴史を振り返ってみますと、一八八八年に不平等条約に悩まされていた日本が初めて平等条約を結んだ相手がメキシコだということもございました。また、地震が非常に多い両国でありますから、関東大震災のときに真っ先に支援をしてくれたのもメキシコだとか、もっと古くは支倉常長がヨーロッパへ行くときにメキシコを通って大歓待を受けたとか、そういう歴史的な、こういうのは二の次としても、お互いにウイン・ウインの関係になっていくだろうということでございます。
 前任の方で言いますと、自動車産業が、一時期はあそこはマキラドーラという制度があったわけでありまして、私が何年か前、最初にメキシコへ行ったときはもう日本の車だらけだろうと思っていたところが、FTAでもってアメリカの車、ヨーロッパの車がばっこしておりまして、日本の車といえばかなり古い車、マキラドーラ時代の車だという大変ショックを受けたわけでございまして、これはメキシコとは早くやらなければいけないということで交渉になったわけであります。
 他方、メキシコの方は牛肉とか豚肉とか農産物が大変な関心がございました。先ほどから、譲るべきところは譲るということを申し上げておりますが、メキシコの関心品目の中にはカボチャとアスパラガスがあったんでございますけれども、カボチャとアスパラガスといえば私のところの重要品目でございましたけれども、これは地元の皆さんに御理解をいただいて、これについては特例扱いはしませんということで、譲るところは譲ったわけでございます。しかし、例えば米であるとか、あるいはまた肉類であるとか、そこは譲れませんねというところでやったわけでございますが、スタートいたしましてから自動車メーカーもどんどん進出をすると、輸出も増える、あるいはまた農産物につきましても、四月から十二月までの数字でありますけれども、メキシコから一〇%前年比で増えているわけでございますし、また、向こうの関心品目であったメロンは逆に何か減少してしまったと。やはり、そこは日本の消費者に合ったものでなければならないということの証左だろうというふうに思っております。
 まあ、農業ばっかりが守りで工業ばっかりが攻めだという単純なものでもないと思いますので、農産物の輸出という攻めの面から、メキシコも、メキシコ料理もおいしいですけれども、日本料理をどんどんメキシコに売りたいというような意欲もございますので、それぞれの分野で攻めと守りがあって、トータルとして日本と、世界第二位の経済規模の日本とそれから第十位のメキシコがウイン・ウインの関係でスタートができたということは大変私にとっても有り難いことだというふうに認識をしております。
○郡司彰君 少し具体的にお聞きをしたいと思いますが、メキシコとの関係で、結果はまだ出ておりません、しかし結んだときには、農産物の額でいいますと何%ぐらいが関税が撤廃され、あるいは削減をされ、別枠になりましたでしょうか。もし分かれば教えてください。
○国務大臣(中川昭一君) メキシコは、全品目で九六・五%が関税撤廃でございます。品目ベースでいきますと、タリフライン、九けたでありますけれども九〇・六%、農林水産物に限りますと、貿易額で四五・一%、九けたタリフラインで四八・六%が関税撤廃を、カバーの範囲でございます。
○郡司彰君 昨日、結んだときの数字でお分かりになればということでお願いをしておきました。
 私、先ほど、この時事事典に日本とメキシコのEPAのことが書いてあると。基本は、鉱工業製品を開放して農産物は受け入れるというようなニュアンスで書いてあって、今の関係でいいますと、農産物の額でいうと九七%が該当していますということで記載があります。
 今の大臣の答弁を聞きますと、農産物で限ると四十何%だということで、これは完全に違っているというふうになりますから、誤解を招くような、そのような情報が流れている、この辺についてはもしかするときちんと、じゃ農水省、これはちょっと通告はしてございませんでしたが、それほど違うんであれば、そういうものをチェックをして正しておいた方がよろしいかなと思って、これは通告しておりませんけれども、もしお考えがございましたらば。
○国務大臣(中川昭一君) 私も今、郡司委員に申し上げて後、タリフラインで四八・六というのは何か意外に少ないなと正直思っておりますけれども、このデータをもう一度確認をした上で、先ほどの事典等影響力の大きい書物等で、仮にあちらの方が間違っていればきちっと訂正をさせていただきたいと思います。
○郡司彰君 私は、実は数字を聞いたときに、大臣と同じように、そんなはずはないなと実は思っています。ですから、もし答弁が間違っていればそれは答弁の間違いで結構ですけれども、事実だとすれば、世間に流布されている数字が大変に誤解を招くと思いますんで訂正をお願いをしたいと思いますが。
 いずれにしましても、このWTOの関係では、大臣はこの前はロンドン、その前はパリの方にも行っていただいて、大変窮屈な時間の中で努力をされて奮闘をされておりますから頑張っていただきたいと思うんでありますけれども、そこのところで、譲許表その他で大変に努力をされている。しかし一方で、先ほど言ったように、額のベース、ちょっと数字、まだ分かりませんが、率でいうと九七%ぐらい関税が撤廃をされている。これは、WTOが決まるまでにそれぞれの地域でEPAを結んでいくと、玄関はきちんとかぎを掛けているけれども、窓やそういうところからどんどん何か入ってきていると、そういう感じになって、時によってはもう二律背反をし、ダブルスタンダード的なことになってくるんではないか。
 もしかすると、これは作為的にそういうことを行っているとは全然思いません。しかし、日々の新聞を見て、例えば農業に関係する新聞を見ると、大臣が大変頑張ってくれている、しかし一方でEPAの方でどんどん入ってきていると。こういうふうなものが何かちぐはぐな感じで、逆に言うと一方だけの側面でとらえることが正しくないのかなという感じがしてしまっておりまして、その辺、このWTOとEPAの関係についてお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(中川昭一君) いわゆるFTA、自由貿易協定というのは、ガット二十四条に位置付けられている、つまりWTO体制を補完するものでございます。このほかにも、RTAという地域貿易協定というような、プルリといいましょうか、複数国間の協定もあるわけでありますが、御指摘のように、WTOは世界全体百五十か国のルールを今正に苦しみながら作業を進めているという状況でありますし、他方、二国間も大変なスピードで進んでいるわけでございます。今はもう百七十を超えるEPAがどんどんできてきていると、ついに韓国とアメリカもFTAの交渉を始めているということで、大変なスピードでFTAが、あるいはEPAが進んでいるわけでございます。
 我々としては、WTOとEPAというものはこれは関連が非常にあるものですから、そこの戦略をきちっとやっていかなければならないと。この前の交渉でも、ロンドンの交渉でも、ある国の代表が、余りWTOで野心を高くするとEPAの効果がなくなっちゃうよななんてぼやいていたある国の閣僚もいるわけでありまして、そういうある意味ではEPAという二国間で、バイで特恵的に決められることと、このWTOの交渉を一体どういうふうに位置付けるのかということは各国ともどうも悩んでいるようでございます。
 日本も、正直言って日本としてはやっぱり東南アジアやお隣の韓国やインドやいろんな国とやりたいんですけれども、他方、WTOの方もきちっと守るところは守っていかなければいけないということで、アメリカなんかは、御承知のように、ウルグアイ・ラウンド交渉がデッドロックに乗り上げたときには一挙にNAFTAの方に九〇年代に走っていったわけですよね。そういう意味で、我々としてもマルチを見ながらバイを見ていく、あるいは個別にどの国がいいのかということをお互いに品定めをして、ウイン・ウインの関係、しかもこれは、さっきのメキシコのように、三十何番目でございますというと主な国は全部もうメキシコとFTAを結んじゃった後ですから、決してこれは不利が、まあ同じ位置に戻っただけであって決して有利になったという状況ではないということでありますんで、スピード感ということも極めて大事だろうというふうに考えております。
○郡司彰君 NAFTAの関係もこの前別なところで質問をさせていただきましたけれども、この北米自由貿易協定でメキシコとアメリカの関係でいくと、実はアメリカの方に失業者が相当出てきている結果になっております。移行調整プログラムというのができ上がっている。日本の場合にはそういうことは必要ないんだというようなことになっておりますから、今のところ結果を見てみないと分かりませんけれども、場合によっては、そのようなことをこれからEPA続けていく中では日本政府としても考えていかざるを得ないんではないかなという思いがあります。そういう意味で、今後ともEPAの行方について、WTOと重ね合わせまして私どもも注目をしていきたいなというふうに思っているところであります。
   〔委員長退席、理事常田享詳君着席〕
 次の質問に入らせていただきたいと思いますけれども、七ページから、「消費者ニーズに適合した食料供給の推進について」ということで記載がございまして、先ほども議論がありましたけれども、「食料自給率の向上」ということの文言が出てまいります。四五%にしよう、二十二年までにというような当初の目標がございました。それは目標は変わらずに、もう少し長い目で見ようと、こういうふうにもなってきているわけでありますけれども、基本法が新たに作られたときに、要するに生産力を上げるというものと、それから消費を伸ばすというのと両方相まって自給率を上げていくんだと、こういうふうな議論だったと思いますけれども、その四五%に二十二年では到達をしない、その原因は、生産力の方が上がらなかった方なのか、それとも消費の方が伸びなかったことなのか、どのようなバランスで目標が先延ばしになっているのか、お答えいただければと思いますが。
○国務大臣(中川昭一君) 両方といえば両方なんでしょうけれども、一つには、やはりカロリーベースということでございますから、肉とか穀物とかいったものがどうしても中心になっていくと。世の中は健康志向ということで、ダイエットなのかはよく分かりませんけれども、これ、野菜が増えていけばいくほど、しかも輸入野菜が増えていけばいくほど、これはカロリー的にはほとんど貢献しないわけですね。ですから、じゃ、百三十キロ食べていた米をまた今の倍、百三十キロを一生懸命食べるかというのもなかなかちょっと言いにくいところがございまして、日本型食生活の中でバランスよく、できれば顔の見えるおいしい日本の農業者が作った農産物を食べましょうと。地産地消とか、先ほどの共生とか、そういういろんな言葉がございますけれども、肉が増えれば増えるほど輸入のえさも当然増えるわけでございますし。
 ですから、先進国が、もうほとんどの主な国が一〇〇%を超えているか一〇〇%近いという中で、この四〇というのは余りにも低過ぎると、これでは我々も食料政策の根底がもう心配でならないということで四五でございますけれども、最後はやっぱり生産者は消費者においしいものを提供する、消費者は日本の生産者のおいしいものを食べるという関係の中でお互いに協力をしていただくということが自給率の向上につながっていくということで、かといって、食べろとか、これは食べるなとかも言えませんので、なかなか正直言ってジレンマがあるというのが正直なところでございます。
   〔理事常田享詳君退席、委員長着席〕
○郡司彰君 私、冒頭申し上げましたように、やっぱりどこが悪いのかというのをはっきりした方が対処がしやすいのかなというふうに思っているんです。
 それで、消費の関係で、これ十六年のときにお聞きをいたしました。亀井大臣でございましたけれども、このように言っておりました。平成九年のときに一人当たりお米の消費、六十六・七キロだと、平成十五年は六十二・六キロに下がったんだと、目標は二十二年に六十六キロに戻すんだと、こういうふうなことでございましたけれども、昨日ちょっと打合せをしておりましたときに、今、その六十六キロに戻すということには特別なっていないような話がありましたけれども、これは事務的にちょっと簡単に、なっているのか、なっていないのかだけお答えいただけますか。
○政府参考人(岡島正明君) お答えを申し上げます。
 新たな基本計画におきましては、現状の六十一・九キロを二十七年の消費量として置いているところでございます。現在、かつての六十六・七キロではなくて六十一・九キロ、六十二キロを二十七年度の消費量として今置いているところでございます。
○郡司彰君 これは新しい基本計画が作られたときに変わったんですか。
○政府参考人(岡島正明君) はい。
○郡司彰君 分かりました。
 そうしますと、これカロリーベースの四分の一をお米が占めていて、やっぱりこの自給率を四五にするときには、その関係からいうと生産力の向上だけでは駄目なんで、米をみんなで食べるようなことをきちんとやらなければいけない。だとすると、これはより一層生産力の向上が高くなければ自給率が達成をしない、そのような計画ができ上がっていると、計画ではそういうふうになっているということでよろしいんですね。
○政府参考人(岡島正明君) 委員正に御指摘のとおり、前の基本計画における、いわゆる検証をし、その課題として、消費面では、食生活の問題であるとかあるいは国産農産物の消費の拡大とか品質安全の問題、生産面におきましては、正に大臣申し上げたような消費者、実需者のニーズに対応した生産ができるのかどうか、あるいは加工・業務用需要に対応できるかといったようなことを課題として挙げております。
 そうしたことから、新たな基本計画におきましては重点的に取り組むべき事項として、消費面における食育でございますとか生産面におけます需要に応じた生産ということを掲げているところでございます。
○郡司彰君 説明聞くとよくよく分からなくなってくるんですよ。要するに、生産力を上げるようにしなければ自給率は達成ができないというような形の考えになっているんだと思いますが、それでは、初めの基本法ができたとき、それから新たな基本計画ができ上がったとき、これ、担い手対策を含めて考え方、方針が変わってきているわけでありますね。
 それで、私、これは昨日ちょっと打合せをしているときに実はびっくりしたんです。最初のときに基本計画を作るときには、新しい基本法の第八条というのができて、第八条は、国だけでやるんではなくて各自治体、団体がみんなで取り組まないとこれはできないんだというような形で第八条というのができたんですね。ところが、昨日聞いていると、各県で計画とかそんなものあるんですかねというような話でございました。私、ちょっと愕然と実はしたんでありますけれども、国だけじゃ駄目だからという基本計画ができて、基本計画に基づいて各自治体も計画を作って、五年たって見直しがなったんだから、各県の今どうなっているんですかと聞いたらば、各県でそういう計画ありましたっけと。これは、農業関係の、農水関係の基本六法のところの最初にその基本法が来ているわけですね。もう一回みんなで読んでもらった方がいいのかなという感じがしましたが、まあそれはおいておいて、各県のこの八条に基づく各自治体の基本計画というのは今現在どうなっていらっしゃるんですか。
○大臣政務官(小斉平敏文君) お答えをいたします。
 新たな農政理念を規定をいたしました食料・農業・農村基本法に基づきまして、平成十二年に基本計画を策定をいたしたわけでありますけれども、その際、各都道府県に対して、これを参考にして各都道府県が策定をしておる農業振興計画につきまして改定、見直し等を行うように指導、助言を行ったところでございます。
 その結果、各都道府県の事情によりまして改定、見直し等、年次はそれぞれ異なりますけれども、十二年から十七年までの間に各都道府県の農業振興計画について生産努力目標を盛り込む等の見直しが行われてきたところであります。
 また、昨年三月に新たな基本計画を策定をいたしたところでありますけれども、この際にも、新たな考え方に沿って各都道府県ごとの食料自給率の目標、あるいは農業と食品産業の連携強化や地産地消の取組等について農業振興計画に盛り込むように指導、助言を行っておるところでございます。
○郡司彰君 政務官の答弁聞いてやっと安心いたしました。本当に、これ基本法を作ったときの精神がどっかに行っちゃったのかと思っておりましたらば、生かされているということであれば、これはきちんとやっていただきたいなということを申し述べておきたいというふうに思います。
 時間の関係で次に移らさしていただきたいと思いますけれども、十ページのところにいろんなことが書いてありまして、「以上の施策展開に当たっては、経営者の工夫を凝らした意欲的な取組を後押しする「攻め」の農林水産行政の実現が重要であり、こうした取組の一環として、農林水産物の輸出やバイオマスの利活用なども推進します。」というような文言がございます。
 私は、実はこの「バイオマス・ニッポン」というものを取り寄せておりますけれども、「自然の恵みでニッポン再生」、そしてこの関係は、経産省、それから環境省、農水省、内閣府も含めてこれは国の戦略としてやっていこうというようなことになっているんだと思いますけれども、農水相の所信表明を見ますと、字面をつかまえて大変恐縮でございますけれども、「バイオマスの利活用なども推進します。」、これはちょっといただけないなと。正直なところ、アメリカのブッシュ大統領が一般教書演説で脱石油社会というものをつくらなければいけないんだというようなことを言ったことに比べて余りにもこの日本の姿勢というものが情けないという感じがしておりまして、大臣にはその一般教書演説、ブッシュ大統領の脱石油社会を目指すということについての御感想をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 私もブッシュ大統領の一般教書、文書で全部読みまして、はっきりと脱石油と。そこには水素エネルギーとかあるいはバイオエネルギーとかにこれから取り組むんだという力強いメッセージを感じました。
 農林水産省としても、どうも日本はこういう再生利用型のエネルギーあるいは自然循環型のエネルギーに対する取組が今のところ非常に低かった、前のポジションのお話でございますけれども、エネルギーの七〇%を石油に頼り、その石油の九割以上を中東地域に頼っているという大変危険なエネルギー供給構造になっているわけでございます。
 ですから、自然のエネルギー、例えば太陽光とか風力とか、そして今世界じゅうがある意味では競争しておりますこのバイオエネルギー、ブラジルのルーラ大統領はとにかく、去年日本に来てお会いしたときには、もうサトウキビから作ったエタノールを日本は買ってくれ買ってくれと、もうそればっかしブラジルの大統領はおっしゃっておりましたし、またアメリカはアメリカで、またドイツは菜種から油を取るということであります。そういう意味で、私としては熱心に取り組み、私の地元でも既に五年ぐらい前から実験をビートと小麦でやっておりますし、最近テレビで、伊江島のサトウキビでガソリン、あるいはE3でしたでしょうか、の実用化がスタートしたということであります。したがいまして、私自身は大変熱心に取り組み、三浦副大臣にその責任者になっていただいて、三浦副大臣、大変に熱心にやっていただいております。
 したがいまして、なるほど、林産物の輸出やバイオマスの利活用などもという、何かおまけみたいな印象になっていることは私も今改めて感じましたけれども、おわびをしながら、大変な熱意を持ってこれから取り組んでいきたいというふうに思っておりますので、御支援をよろしくお願いいたします。
○郡司彰君 ありがとうございます。
 私は、今の大臣の話に出てまいりましたE3といいますか、そのエタノールあるいはメタノール、いろんな使い方があると思いますけれども、例えば今話に出ました、ブラジルですとE25、それからアメリカがE10ですか、日本の場合にはE3というような形でもって混合ガソリン燃料として三%を入れていこうというようなことになっているわけですね。
 このE3の関係でありますけれども、今、大臣がおっしゃったように、国内六か所ぐらいで実証実験も始まっております。しかし、正直なところ、このバイオマスというものに該当するもの、いろんなものがありますけれども、やはりブラジルのサトウキビでありますとかあるいはアメリカのトウモロコシでありますとか、これらのものというのはやっぱり資源作物としてなるものを使っている。日本の場合には確かにてん菜、ビートあるいはサトウキビというものも使っているんでありますけれども、これ、全国的に展開をし、脱石油社会を目指すということになると、この作物で可能なんだろうか。あるいはチップとかその他のものを使うにしても、集積その他でもって大変日本の場合には地理的に難しい条件がある。もっと違うものがあってしかるべきなんではないか。私はそれにお米を充てることはどうなんだろうという考えを持っておりますけれども、もしよろしかったら、どちらでも結構でございますけれども。
○国務大臣(中川昭一君) 北海道で五年ほど前から実験を始めたときには、私のところが先ほど申し上げたようなビート、サトウダイコンと小麦、札幌周辺で米でやろうということで実験をしたというふうに聞いております。
 お米が、水田が余り、また米の消費も落ちて、ともすると余剰になりがちだということで、要はコストの問題とか製造するに当たってどのぐらい大変か大変じゃないかといったような文字どおり実証実験という観点で米についても当然今後考えていかなければいけない作物だろうというふうに理解しています。
○郡司彰君 大臣から大変うれしい話をお聞きをいたしました。
 ここを見ても、これ、お米のことは全然出てこないんですよ。それで、私は、先ほどツルネン議員が経営安定対策についてもお話をしました。その中でも耕作放棄地とかいろんなことが出てくる。私は、日本人というのは習い性で、お米を作ることには労働力も大変少なくて済む、しかも条件不利地域でも労働力として高齢の方でもでき上がることができる。そういうふうな形で作ったものを、先ほど言った特別に日本人はお米に対する感覚がございますから、難しいところはあると思いますけれども、多収穫米などのようなものをきちんと使って、下の部分を燃やして上の部分で燃料にするというふうな形を取れれば、これは食料問題、環境問題、エネルギー問題が三つ一度に考えることができて、いざというときには食料に転化ができると。
 しかも、実際は使ってはいけないという決まりもありますけれども、先ほどから出ておりますMA米であるとかあるいは病害虫にかかったお米でありますとか、たくさんお米としてはあるわけでありまして、私は、バイオでマスという言葉を付ける場合には日本の場合にはお米を使うべきだというふうに思っております。
 そして、これ農水省だけでありますけれども、予算からいうと二百四十六億、これ三位一体の関係で若干減ったようになっているけれども、実質的には増えている、農水省の中でも増えている予算だというふうな話は聞いております。
 しかし、先ほどの話に出ているアメリカは、昨年で四十億ガロン、今年の予算が二千五百億円を使って、二〇〇七年までには六十億ガロンにしようと。二十億ガロンを一年ちょっとで増やそう、そういうふうな形でやっていて、これは戦略物資としてとらえているんだと思うんですね。
 日本の場合にも、何度も申して恐縮ですけれども、資本主義が始まって、資本主義の権化のアメリカがやっぱり脱石油社会というものを唱えるというのは、これ、百年ぐらい前に亡くなったマックス・ウェーバーという方が、化石燃料の最後の一片が燃え尽きるまで社会システムを決定付けるんだというようなことを言って、この化石燃料から人類というのは抜けられないというような予測を立てた。そういう予測を立てた中で、このアメリカそのものがバイオマスということを一生懸命やっている。残念でありますけれども、二百四十六億なども推進をするバイオマス・ニッポンにはお米が出てこない。そのお米を使うことによって私はこの農業の政策、根本的に相当な部分が変わってくる、そんな思いでありますので、先ほどの大臣の思いが今年以降具体的になるようにお願いをしておきたいなというふうに思っております。
 それから、最後の問題に入らさせていただきますが、同じページに「小さくて効率的な政府」というような言葉がございます。私は、必ずしも政府、小さければいい、一律にこれだけ減らすというような側に立つものではありませんで、やはり必要なものがあれば必要な部分はきちんと充当をし、昨日、別な団体の方が言っておったんでなるほどなと思ったんでありますが、民ができることは官もできるんだというぐらいのつもりで官というものが誇りを持ってやることが必要だろうと思っています。
 しかし、その誇りを持つためには、この前提として誇りを持つに足るようなところが行政を行っているんだ、推進をしているんだ、こういうようなことが当然必要になってくるわけだというふうに思うんでありますけれども、そこで幾つかの点についてお尋ねをしたいと思います。これまで私の方で時に応じて質問をした中で、幾つかの懸案について質問をさせていただきます。
 まず、公益法人の関係でありますけれども、これは十何年でしょうか、予算委員会の方でちょっと質問をさせていただきました。日本こんにゃく協会というのがございまして、どうもバブルのときその他で運用をして、基金そのものが大変な状態になっているというのがあって、その後しばらくたっているわけでございまして、久しぶりに調べておりましたらば、十五年の六月に生産局長名で三点の通知をなさった、それに対して八月に回答があったというようなことで伺っておりますけれども、どのような通知、どのような回答でありましたか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西川孝一君) お尋ねの財団法人日本こんにゃく協会でございますけれども、私ども、平成十四年三月の法人検査におきまして今御指摘のような投資がある、これが公益法人の設立許可及び指導監督基準の運用指針に照らして不適当であるというふうに判断されましたことから指導を行いまして、当該株式は平成十四年度中に処分をされております。
 その後、十四年度決算報告を受けまして、今、委員御指摘のように、平成十五年の六月二十六日付けでその再発防止及び運営の適正化について文書によって指導をしたところでございます。
 協会からは、法令遵守を徹底する、外部検査の強化をする、業務の透明化を図るといったことを内容とする是正を行うと、その措置を行ったということが十五年の八月十一日付けで生産局長あてに提出されているということでございます。
 なお、適切な業務に復帰するということにつきましては、別途実施いたしました法人検査におきましてもこのことは確認しているということで正常化が、そういう面では役員の極端なこと言えば総入替えとか、いろんなことによりまして今は正常化している、これからもきちんと指導したいと考えております。
○郡司彰君 経過についてお話をいただきました。
 三点のうち前二点は、農水省の方からこういうふうにしなさい、こういうふうにしたいと思います。で、問題は三番目の基金の減額を復元できるのかどうかというふうなことだろうと思うんですよ。
 この基金の復元は、私は、先ほどのWTO、EPAの話とかかわってくるんですけれども、このコンニャクというのは最高関税率になっているわけですね。九九〇%なんですよ。ですから、この基金の減額された分、なくなった分を復元する、戻すというときに、安易に、安易にですよ、この高い関税を利用してほかから一杯入れて差益を取れば返せるみたいなことになっては、これ元々の国内のコンニャク農家やなんかに対して結果として二重の間違いを犯すというような形になるかと思いますので、そこのところは今後とも十分注意をして健全な公益法人としての形を取れるようにお願いをしたいなというふうに思っております。
 それからもう一つ、ウルグアイ・ラウンドのときに評価第三者委員会というものをつくりまして、評価を行っていこう。これは例えばUR対策の関係については、期間も額も限定をされておりましたから、そのような形も取れたんだと思いますけれども、今度の新しく決まった基本計画などについては、先ほどちょっと答弁を聞いたときも思ったんでありますけれども、生産力を上げなければ駄目だというふうになった。だけど、どうも話を聞いていると、まあ努力はしましょうみたいな話になっている。きちんとこの対策は、計画に基づいた対策はこういうことをこの箇所でこういう形でやっている、各自治体がやっている、こういうふうな形できちんと後から追い掛けられる、後から点検ができる、評価ができる、そのような形にすることはできませんでしょうか。
○政府参考人(岡島正明君) 正に、例えば食料自給率でありますれば、その工程管理をきちっとするということで、今御指摘の点について毎年検証しながら翌年の課題を設定して工程管理をしていくと、そういうことで取り組んでまいりたいと思っております。
○郡司彰君 大臣に最後の質問をしたいと思いますが、八年前に大臣をなされていたときに、構造改善局というところがございまして、不祥事がございました。大臣のところでもって諮問機関をつくって、どうなっているんだということを調べて、それから大臣がお替わりになったときに、またそのことが実はそうじゃなくてということでたくさん出てきて、大変に処分が出されたことがございました。
 私は、その処分そのものよりも、そのときに同時に出されました文書がありまして、今後こういうことは反省をしなければいけないんだという文書がございました。大変に厳しい内容の文書でございまして、二つに省内が分かれて対立をして、一方を徹底的に批判をするだとか、そういうふうなことがあるんだと。これでは決められた政策の実行、組織一丸となって取り組む形になっていないんだというようなことがございました。
 私は、先ほど言いましたように、小さな政府にくみする者ではございません。しかし、一丸となって行政に当たるような体質になっていなければ、それは何を決めても、だれが多くても少なくても、何もできないのと同じでございまして、大臣の目から見て、当時のことを振り返りまして、今現在、省内はまとまって、基本計画が決まればきちんと推進をする体制になっているというようなことをお言葉としていただければ大変有り難いと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 正に御指摘のように、人事がいろんな問題があって停滞をして、それが派閥対立まで行ってしまったと、それによって不祥事が起きたということで誠に申し訳ないことだというふうに思っております。
 その結果を踏まえまして、風通しのいい人事、具体的に言いますと、私はあのとき、一九九九年の正月の訓示のときに申し上げたのは、農林水産省はもう入ったときから何番線どこどこ行きというのが大体決まっていると。それはおかしいわけで、しかも、それが鈍行から準急から急行から特急から超特急まであると。二十八番線か二十七番線まであると。それはおかしいので、まあ一番線で水戸まで行こうと思ったけれども、仙台まで途中で乗り換えるとか、あるいは北海道まで行けるようにすると。特急に乗ったけれども、途中からこれはもう鈍行に乗り換えてもらうとか、そんなようないろんな柔軟性が人事には必要だろうというふうに考えております。
 そういう意味で、こういうことはあってはなりませんし、また二度と起こさないように日々緊張感を持ってやっていかなければならないと思っております。
 そこで、冒頭申し上げましたBESTというところの最後のTがチームワークということで、同じ大事な時期でございます、いろんな課題を抱えておりますから、一致団結して国民のためあるいはまた世界のために我々の責務を果たしていきたいというのが私の決意でございます。

第164回国会参議院農林水産委員会(2006.3.16開会)


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