○郡司彰君
民主党・新緑風会の郡司でございます。
大変今日は、例年になくといいますか、今年一番のぽかぽか陽気でございまして、午睡にちょうどいい時間なんでありますけれども、お付き合いをお願いをしたいというふうに思います。
大臣の所信に沿った形で質問をさせていただきたいと思いますが、そういいながら、一番最初のだけ、この中に字句が記載をされていないことについてお聞きをさせていただきたいと思います。
まず、自給率の問題でございますが、食料・農業・農村基本法が制定をされ、基本計画が策定をされ、その中でも、年月を区切って、二十二年だったと思いますけれども、四五%に高めていこうというような目標がございました。今現在、特に主要食糧というような中に含まれておりますけれども、大豆あるいは麦、それらを中心にして自給率の四五%達成は大丈夫かということについて大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君)
食料・農業・農村基本計画の中で、食料の自給率四五%。その達成の条件といたしまして、いわゆる総供給熱量の四分の一を占めます、自給率がほぼ一〇〇%であります米の消費の維持ということが重要なことでありまして、これは平成九年、一人当たり六十六・七キロでありましたのが、今は六十二・六キロと。平成二十二年には六十六キロと、このように目標を掲げておるわけでありまして、それ四五%と、この目標に向かって、米につきましてはそういうことでございますが、平成二十二年、六十六と、こういうことと、それ以外の品目につきましては基本的に生産の拡大ということを前提としております。
今申し上げましたとおり、米につきましては六十二・七キロと、こういうように消費量が減少しております。あと、ここのところ、食料自給率、平均、平成十年度以降五年連続して四〇%と、こういう状況にあるわけでありますが、食料の自給率の低下、これはやはり、先ほども申し上げましたとおり、米の消費が減少していると。一方、畜産物や油脂類の消費が増大していると。食生活の変化、これが主要な要因になっておるわけでありまして、そういう面で、食料の自給率の向上を図る面では、生産と併せて消費の面で考えていかなければならないと思います。消費の在り方と、こういうことが重要になるわけであります。
そういう面で、食生活の変化、そしてさらには栄養バランスの取れたものを維持しなければならないと。今、栄養バランスが崩れてきて生活習慣病、こういうことも増加をしておるわけでもございます。そういう面で是非、生産面、消費面でのアプローチ、そういうことから食生活の大切さ、そういう点で食育を推進すると。さらには、米を中心とした日本型食生活、これを復権させる、こういう努力が必要なことではなかろうかと、このように考えております。
○郡司彰君
達成できれば有り難いことでございますし、できないからどうのこうのということの議論をするつもりではございません。ずっと下がりぎみだったものが基本計画以降はまあ横ばいになっている。反転攻勢のきっかけに是非していただきたいと思いますし、今のような、ただ単に自給率のために、作物の生産だけではなくて、食育あるいは日本の食文化を見直すということも大変重要だろうと思っていますので、その辺についてはできるだけ達成がかなうようなことをお願いをしたいというふうに思っています。
それから、所信の方の三ページ、四ページ、五ページ辺りに記載がありますけれども、現在の基本計画、昨年から見直しの議論が始まっているというようなことでございますけれども、これ、大臣として、この基本計画の中の議論をどういう形でまとめていこう、リードをしていこうというようなお考えか、お聞かせをいただきたい。
○国務大臣(亀井善之君)
昨年八月、この見直しを指示をしたわけであります。そして、この審議会に諮問をし、今、企画部会で御議論をちょうだいしております。
それは、やはり食の安全、安心、これに対する関心は高まっている一方、農業の構造改革の立ち後れ、あるいはWTO等国際規律の強化などを踏まえまして、競争力の強化など、国民の期待にこたえられる農業、農村、この実現に向かって農政全般につきましての改革が求められておるわけでもございます。
そういう中で、やはり先ほども申し上げました基本計画の見直しにつきましては、食の安全、安心、この確保のためのやはり施策を進めると。一つは、品目別の価格・経営安定政策から、諸外国の直接支払も視野に入れまして、意欲と能力のある担い手の経営を支援する品目横断的な政策への移行を考えたいと。またさらには、望ましい農業構造と、そして土地利用を実現するための担い手あるいは農地制度の改革と遊休農地の問題、高齢化の問題等々もあるわけでありまして、この点、その農地制度の改革も必要ではなかろうかと。あるいはまた、環境保全を重視した施策の一層の推進と食料安全保障や多面的な機能、こういう観点から、農地、そして水などの保全、この政策の確立が必要ではなかろうかと。この三点につきまして本格的な検討を進めて今おるところであります。この三点につきまして私はお願いをした、諮問をしたことでもございます。
また、もう一つは、今年の予算にも考えておりますが、高品質な我が国の農産物の輸出拡大、いわゆる守りの農政から攻めと、こういう視点に立ちまして輸出拡大のことが考えられないかと、こういうこともお願いをしておるところでもございます。
今、この食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして、月に二回というようなペースで今いろいろ御議論をいただいておるところでもございます。一つはやはりスピード、こういうものが求められるわけでありますので、七月ごろまでに中間の論点整理ができればと、このようにお願いもしておるわけでありまして、一面では、来年度の概算要求にそれを盛り込むことができないかと、こんな考え方を持っております。また、是非国民に開かれた透明性のある議論、こういうことでいろいろオープンな形でも議論をしていただいておるわけであります。先ほど申し上げましたように、来年三月の基本計画ということに向かって、七月の中間論点整理等々を踏まえて対応してまいりたいと、このように考えております。
○郡司彰君
今お話をいただきました。いろいろな言葉がちりばめられておりましたけれども、端的に言いますと、私ども民主党も農業問題大切にきちんとやっていこうというようなことで、直接支払あるいは分権、環境というようなことをキーワードにしてやっていこうというようなことにしておるんでありますけれども、大臣の今の発言の中にも同じような言葉がたくさんございました。
端的に幾つかの言葉で表すと、大臣にとってはどういう言葉になりますでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
一つは、キーワードといたしましては、消費者、生活者の視点に立った施策の強化、特に食の安全、安心の確保、こういうことが考えられるわけでありますし、さらに、施策の担い手への集中と攻めの農政への転換、あるいは環境や農地、水等の保全と、こういう三点ということに考えられるかなと、こう思います。
○郡司彰君
八ページのところには、施策の一層の集中化、重点化を進めるということがございまして、私どもも理解をできるところなんであります。
一方で、こういうような形でもって担い手が大宗を占めるというようなことになってまいりますと、家族農業といいますか、今の兼業の在り方、あるいはこれまで行政を二人三脚のような形でやってきた系統組織、生産者団体というのがあろうかと思いますけれども、これの関係も、一方で重点化、集中化ということになりますと、系統の生産者団体というのは間口が相当広いというようなこともあって、国の考えているところと幾らかこう違ってくるんではないか、これまでとですね。そういうような思いがありますけれども、その辺のところについてはどうなんでございましょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
いろいろ集中化等々、いわゆる小規模の農業、こういう面での問題もあろうかと思います。そういう面では、やはり農業、先ほどの問題といたしましては環境、水等の問題、そういう面でいわゆる地域としていろいろの施策を進めていくと。そういう中で、いろいろ総合的にその担い手あるいはそれに集中する集約形態、こういうようないろいろの形で進むわけでありますが、小規模の農業、そういう点では地域を維持する、多面的な機能を維持すると、そういう面での環境、水等々踏まえた形での中での施策を推進していく、こういうことを考えていく必要があるんではなかろうかと、こう思います。
○郡司彰君
系統農協の方は、今までこう、これまでの各大臣の歴年のを見ますと、いろんなところでこう一緒にやっていこうというような形のものが散見されましたけれども、今年のこの八ページを見ますと、「農業者、消費者に最大のメリットや満足を提供できるよう、系統自らが経済事業等の抜本改革を進めていくよう支援していきます。」ということになるわけでありまして、端的に言うと自立をするように心掛けなさいということで、必ずしもこれが善しあしの問題ではなくて、そういうことの時代の流れだろうと思うんですね。分かりやすく言うと、これまで一緒にやってきたところ相当あるけれども、今後は政府の方は重点化、集中化ですよと。系統は自分でやっていきなさい、そういうようなことにおっしゃっているということにとらえてもよろしいんでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
そうなかなか二つに分けていろいろの対応をするというのは非常に難しいことであるわけでありまして、系統としても今回法改正等々の、いわゆる農協法の改正等の問題につきまして、系統としていろいろ改革を、またいろいろな系統を通じて議論を進めて今日まで来られたわけでもあります。そういう面で、やはりこの系統としての存在というのは大変大きな位置付けがあるわけであります。十分それらと対応できるような、呼応できるような、いろいろのお互いに努力をしていく必要があるんではなかろうかと、このように思います。
○郡司彰君
私は、これを書いてあることが良くないという意味では決してとらえておりません。本来、協同組合の原理原則からすると、行政と同じような歩調でということ自体が世界の協同組合の中では元々異質ではないかなという思いを持っておりますから、そういう意味で、これまでと同じようなことを改めるということは私は時代の流れとして良いことだろうというふうに思っています。ただ、さっと書いてあると、もしかすると生産者団体の方がそういうところをきちんと理解をしないで、これまでどおり仲良くやっていこうというふうに取ってばかりいると違うんではないかなというふうなこともございましてお聞きをしたようなところでございます。
その辺のところについては、重ねてでありますけれども、端的に私の言う今のような思いでよろしいんでございましょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
是非、時代の趨勢、いろいろ環境も、外部の環境も変わってきておるわけであります。そういう面で、系統自身としても経済的な面での主体性を持ったいろいろの改革を進めておられるわけであります。是非、時代の流れ、また国際環境等々のいろいろの問題もあるわけであります。お互いに緊密な連携を取るとともに、やはりそれぞれ系統が主体性を持って対応していただく、またこれが必要なことではなかろうかと、こう思います。
○郡司彰君
次に、水産、そして森林といいますか林業の関係についてお聞きをしたいと思いますが、二十一ページには水産の関係が記載がございます。二十ページには森林の関係がございますけれども、私は、ここに網羅をされているようなことではなくて、もう少し細かい部分で、例えば水産の関係でございますと、日本の国は六割以上が養殖、育てる漁業というような形を取っているわけでありまして、これは世界に行っても、ノルウェーとかごく一部の国を除いては、日本の、何と言うんでしょう、進んだ分野というふうにも言えるんだと思いますが、そのことが本当にこれから日本の漁業の中心を担っていくということでもって、雇用の問題もあろうかと思いますが、過殖の問題やら何やら相当出てきております。生態系の問題も含めて出てきておりますが、どのような将来像を養殖を中心にしてお考えになっていらっしゃるのか。
それから、林業の関係でございますけれども、この林業も、十三行にわたって森林の問題書いてありますが、どうも林業者の生きるすべがこの中からは読み取れないんではないかなというような思いがありまして、大変ここまでも厳しい林業の経営をなさってきたそういう方々が大臣の所信ではなかなか読み取れない。改めて大臣の口から、こういうことをやっていけば林業者としてもちゃんと生きていけるというようなことがございましたらば、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君)
水産の関係、我が国の養殖業、これは平成十四年には百三十八万トン、約五千二百億円の生産であるわけであります。このうち、給餌型養殖業は約三十二万トンで約二千六百億円を生産をし、国民の需要の強い魚種を供給しております。地域の振興にも貢献する重要な部門でもあるわけであります。
他方、えさの過剰投与が行われた場合、漁場環境が悪化をし、魚病被害の発生など懸念されるところがあるわけであります。このため、養殖指針の作成や環境への負荷の少ない餌料の普及を促進するとともに、持続的養殖生産確保法によりまして漁業者自ら漁場改善計画を作成することを促進をし、漁場の状態に応じた養殖漁業生産、餌料の適正な使用等が行われるよう指導に努めておるところでもございます。
こうした対応等を通じまして、消費者に安全で安心できる、環境に配慮した持続的養殖業、この推進に全力を尽くしてまいりたいと、このように考えております。
また、林業につきましては、長期にわたります木材価格の低迷あるいは人件費を始めとする経営コストの増加、また採算性と、こういう面で大幅に低下をしておるわけでもございます。林業就業者が、減少や高齢化の進むなど極めて厳しい状況下に置かれておると、このように認識をいたしております。
こういう状況の中で、林業の持続的かつ健全な発展を図っていくためには、経営規模の拡大、あるいは担い手の確保と育成、あるいは路網の整備であるとか機械化等の推進、こういうことを進めることが必要でありまして、平成十三年度に策定されました森林・林業基本計画、これに基づきましてこれらの施策を積極的に推進をいたしまして、効率的、また安定的な林業経営が確立できるように努めてまいりたいと、このように考えております。
○郡司彰君
水産の関係、漁業者もこの十年、二十年で相当就労者が減ってきておりまして、今後の予測もかなり減るだろう、十万単位で減るだろうというような予測が出ております。
また、林業の関係は、国土の七割を占める部分なんであるけれども、そこに携わる人たちがなかなか生計が立ち行かないという声を相当聞かされておりまして、ただこの林業の場合は、何かあったらば、その施策が来年、再来年ですぐに実を結ぶということにならないんですね。そういう意味では、長期的に計画的に国土というものの保全も含めて十分に意を使って、私は、特別会計の関係で五十年間で支払というようなことも今あって大変苦労をされているんだと思いますけれども、やはり基本のところは、人も金も山には掛けるんだというような強い意気込みで進めていただきたいなというふうに思っております。
次でありますけれども、二十二ページの方に記載がございますコイヘルペスの関係ですが、これまでの経過と現状どうなっているのか、若干、世の中の中では落ち着いたような形になっておりまして、情報がこのところ新しいものが出されてないような気がいたしまして、説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(中川坦君)
経過を振り返りますと、昨年の十月の中旬ごろからでございますけれども、茨城県の霞ケ浦におきましてコイの大量死が見られたわけでございます。
県の方から、この十月の末になりまして、独立行政法人水産総合研究センターの養殖研究所の方に検査の依頼がございました。その検査の結果、コイヘルペスウイルスの陽性反応が出た。これが十月の三十一日でございまして、翌日の十一月の一日には、早速、農林水産省と茨城県の方で現地の調査に参りました。現場を見たところ、コイヘルペスウイルス病の可能性が高いというふうに判断されましたので、翌二日にはその旨を公表いたしますとともに、全国の都道府県に対しまして、コイヘルペスウイルス病の早期発見と、それから蔓延防止措置を取るようにということで要請をいたしました。
こういった経過の中で、各都道府県から、養殖場等におきまして調査を行った結果として、コイヘルペスウイルスに感染をしたコイが見付かったということで、現在までのところ二十三の都府県で感染のコイが発見をされておりますし、また焼却処分等、所要の蔓延防止措置も取られているところでございます。
農林水産省といたしましては、今後の蔓延防止措置等について検討するために、専門家の方々に技術検討会ということで数度にわたって検討をいただいてきております。また、各都道府県におきますコイヘルペスウイルス病の調査、あるいは持続的養殖生産確保法に基づきます感染したコイの処分等に必要な経費、こういったものが的確に行われるようにということで、昨年の暮れでありますけれども、補正予算によりまして約十七億六千万の予算の手当てもしたところでございます。
現在は水温が低い状態にありまして、こういう状態で新たな感染というのはほとんど出てきておりませんけれども、また春、水温が上がってくるということに対しまして新たな発生も予見をされるわけでありまして、今そこのところを注意しながら対応を今検討しておるところでございます。
○郡司彰君
これまで、十一月段階でいただいたのとほとんど同じような説明でございますので、特にそれ以降の激しい動きはないんだなというふうに理解をいたします。
侵入経路についてはどのような段階でしょうか、今分かっている範囲は。
○政府参考人(中川坦君)
このコイヘルペスウイルス病の感染ルートの解明につきましては、専門家の方々のいろんな助言をいただきながら三つのルートで今調べております。
一つは、発生した養殖場のコイがどこから仕入れたのかという、そういった仕入れ元をたどる調査が一つございます。それからもう一つは、自然の水系にコイの放流が行われております。こういったところではその放流の実態調査をする。それから三点目としまして、海外からのコイの輸入が行われているかどうか、そういった面からの調査、これら三つのルートで調査を行っているところであります。
先ほど二十三の都府県というふうに申しましたけれども、発生箇所で申し上げますと、全部で九十七の事例がございます。この九十七の事例のうちの約半分、四十六の事例が霞ケ浦あるいは北浦からの感染したコイの移動に伴うものというふうにおよそこの推測が付くわけでありますけれども、霞ケ浦、北浦を含みます天然水域の残りの五十一の事例につきましては、一般の人によりますコイの放流あるいは死亡したコイの投棄なども考えられますけれども、なかなか具体的にこれがどういったところから持ち込まれたのか、あるいはどういう理由で感染したのかというようなことはなかなか特定がまだできておりません。
それから、コイの輸入につきましても、これまでのところ感染を疑われるようなコイの輸入というのは見付かっておらないという状況でございます。
この後の具体的な感染経路の究明のための手段としましては、コイヘルペスのこのウイルスのDNAの塩基配列を調べまして、これが海外との関連がどの程度あるかといったようなそういう新たな手法も含めて、感染経路の究明に努力したいというふうに思っております。
○郡司彰君
一九九八年にイスラエルで初めてというのは、二〇〇〇年になってアメリカの学者がそうだろうということになったわけですね。非常に時間が短い病気だということなんでありますけれども、今のその三番目の関係、その海外からということが、常識的には日本で新たに発生したということを考えなければ海外からだろうということになるわけですね。
ところが、このコイそのものは食用のものは値段の関係からいってそんなに世界を飛び回るような商品にはならないだろうと。しかし、病気としてうつるのはコイ以外にはうつってないんだということになると、食べるコイ以外のコイについてというのが一番おかしいというふうに思うのが普通じゃないかと思うんですが、その辺のところについては言及ございませんでしたが、どうなんでしょうか。
○政府参考人(中川坦君)
海外からの輸入の実績を調べるというのは貿易統計になるわけでありますけれども、今の分類上では、コイというものと金魚のような観賞魚が一本になっておりまして、なかなかそこのところが細かく分からないということもございます。大分調べようとして努力をしたわけでありますけれども、具体的に疑われるような事例というのが実績としても上がってきてないというのが実態でございます。
○郡司彰君
非常に憶測で発言をするということは差し控えた方がよろしいんだと思いますけれども、発生をしたのがイスラエルでございますね。食用のコイをそれほど養殖しているのかどうか分かりませんが、一方で観賞用と言われるコイは相当なさっていますね。発生をしているのもほとんどそういうのをなさっている国だということがあれば、そちらの方を私は正直言って疑ってやらないと、また同じようなことの結果を及ぼすんではないかというふうに思っておりまして、そちらの方の業界の方も大変努力はなさっていると思います。なさっていると思いますけれども、私としては可能性がやっぱりそこだろうと思いますので、そこのところについて、かなりきちっとした行政的な指導をやっていただきたいということを申し上げたいと思いますが、そういう私の申出に対して、いただけますか。
○政府参考人(中川坦君)
今、郡司先生もおっしゃいましたように、このコイヘルペスウイルス病が世界で知られたのは二〇〇〇年でありますし、二〇〇一年の九月にヨーロッパの方でこの魚病の研究者の国際会議があって、その際にこのコイヘルペスウイルス病の報告があるということで、これが世の中にといいますか、世界的に知られた最初のきっかけになった会議であったというふうに思っております。
この九月の会議のすぐ後でありますけれども、二〇〇一年の九月の十三日に、このニシキゴイの養殖業界の方々、そういった団体に対しまして、海外でこういった新しい病気、ウイルスの病気が発生したらしいということで注意喚起などもいたしております。
そういうことで、私どもとすれば知り得た直後に、当時はまだ水産庁でこの問題を扱っておりましたけれども、関係業界の方にも注意喚起をし、さらにまた年が明けまして二〇〇二年にはインドネシアでこういったコイの大量死も報告されておりますけれども、こういった情報を得るごとに、それぞれ関係業界の方には注意喚起もお願いをしました。それから、全国の魚類の防疫推進会議といった会議も開きまして、そこの場でも各都道府県の方々にも併せて注意をするようにということで情報提供もしてきたわけでございます。
したがいまして、先生の今の御趣旨に沿いまして、これまでもやってきておりますけれども、これからも改めてこういった関係業界の方々にも注意喚起をしてまいりたいというふうに思います。
○郡司彰君
それから、KHVそのものの研究あるいは対処についてでありますけれども、これはたまたま、たまたまといいますか、持続的養殖生産確保法の特定疾病、指定をしたらばすぐにまた発生したような状況になっておりましたけれども、これはどうなんでしょうか、純粋に頭の中だけで考えますと、この程度の被害額のことについて恒常的に研究をしたりして人を使って対処策を考えているならば、起こったときに全部燃やしたり何かしちゃえばそれで済むというような、乱暴な言い方を非常にしておりますが、小さい魚や何かというのはそういうことも今まではなされてきたような感じもしないでもないんですが、これはあれですか、農水省としては、そのものの研究あるいは対処というのをこれからは持続的に国の機関の中で行っていくんですか。
○政府参考人(中川坦君)
先生の御趣旨は、こういったウイルス病に対して研究、対処法等に研究を続けていくのかという御趣旨だと承りました。
このコイヘルペスウイルス病につきましては、十六年度の予算におきまして、これは技術会議の方の予算でありますけれども、緊急の課題がある際にそれをテーマ設定をして、例えばワクチンの開発ですとか、いろんな防疫対応の新技術の開発を含めまして研究をしていこうと、そういう重点課題にするということでなっております。
まだこの病気につきましては具体的な治療法なり対処法がない病気でありますので、そういった面での技術開発には努めてまいりたいというふうに思っております。
○郡司彰君
専門家による技術検討会も開催をされたようでありますけれども、そんなにいらっしゃいませんね、日本には専門家と言われる方が。これらを大量に、何というんですか、そういう専門家を養成をするということよりは、費用対効果を考えると、世界的な規模でどこかできちんとやるというようなことに日本も参加をする、援助をするというようなことでも間に合うのではないかという感じがしないでもないんです。ただ、これだけのことになりましたから、やるということならばきちんとやるというような体制を取っていただきたいなというふうに思っております。
それから、霞ケ浦の関係についてお聞きをしたいというふうに思いますが、埋却もあったのかなと思ったら全部焼却だそうでありますけれども、どのぐらいの量、いつごろまでに終わるというようなことで、これまでの経過も含めて焼却の状態をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君)
茨城県におきましては、昨年の十二月の二十日に、この持続的養殖生産確保法に基づきまして、霞ケ浦、北浦のすべての養殖ゴイを対象に、今年の三月三十一日までに処分するようにという蔓延防止のための命令が発せられております。
現地におきましては、一月の二十日から焼却処分が開始されておりまして、養殖ゴイの総量が二千数百トンというふうに今推定をされておりますけれども、三月の十四日までに既に千七百六十四トンが処分済みということでございます。
これでいきますと、期限も三月三十一日となっておりますし、この三月中には全量処分される見込みというふうに承知をいたしております。
○郡司彰君
業者の方につきまして、これ、大臣の所信の中の二十二ページには、「被害を受けた養殖業者の経営支援を図ってまいります。」というような文言がございます。
昨日、質問をするに当たりまして、そういうことを県の方と交渉はされているんですかというお話を申し上げましたところ、何か農水省の方ではなさっていないようなニュアンスで受け止めましたが、これ、大臣の方はこういうふうに所信の中にきちんと書いてあるんですけれども、現実問題として県の方との交渉はどのようになっておりますか。
○政府参考人(中川坦君)
交渉といいますか、まずは私ども承知しておりますのは、五十八、約六十の業者の方がこの現地におられるというふうに聞いておりますけれども、当初はこういった業者の方々が、もう今回は廃業するというふうなことで意見が集約が見られたというふうなことも聞いておりまして、ただ現実にはまだそこまでも行っていないと。意思の、意見の統一といいますか、五十八の業者の方それぞれがそういうふうに決意を、決断をされたというふうには伺っておりません。
いずれにいたしましても、具体的なそれぞれのこれからの、営業を続けるかどうかという個々の業者の方々の御判断がまだ十分全部固まったというふうには承知をいたしておりません。何か、今後、養殖の方を続けたいということで、そういう方がいらっしゃるということであれば、改めてそういった方々の御要望もお聞きした上で、どういうことが可能かどうかということを検討させていただきたいというふうに思います。
○郡司彰君
二点ほどちょっと確認をさせていただきますが、その検討の方、それから県全体が業者の方の話をどういうふうにするかまとめ、県として、県内の状況がまとまったと。これは交渉の窓口は、そうすると農水省でよろしいということなのかということが一つ。
それから、これは亀井農水大臣が記者会見で、国としては生活保障や養殖施設の残存価格補償等の廃業補償は困難とした上で、設備撤去については漁場環境の保全の観点から支援できるよう検討してまいりたいというような発言をしたというふうに地元の方では流されておりますが、この二つのことについてはそれぞれよろしいでしょうか、そのようなことで。
○政府参考人(田原文夫君)
まず前段の点でございますけれども、これはまず霞ケ浦、北浦におきますコイ養殖漁業、こうしたものは県の漁業権に基づくいわゆる小割り式の網生けす漁業ということで、昭和四十年以降でございますか、四十年近くにわたって行われているというふうに聞いております。
したがいまして、先ほど消費・安全局長の方からるるお答えしておりますけれども、持続的養殖確保法に基づきます補償措置、こういったことに対します予算の必要な金額、こういったこと等は国において計上し、しかるべく助成をするということでございますけれども、こうした業自体をどうするかという問題につきましての御判断は漁業者の方、さらには免許等を行っております県当局がまず一義的には判断されるということであろうかと思いますし、したがいまして、こういったことにつきまして国として補償するとか、そういったたぐいの話にはこれはならないんではないかというふうに考えている次第でございます。
それから、二点目の御指摘の点でございますが、私もちょっと詳細にそこはチェックしなければいけないのかもしれませんですけれども、私ども、十六年度、現在御審議いただいております予算の中で、内水面環境活用総合対策事業という約五億円の予算措置、これを計上させてもらっております。
この予算におきましては、今後とも養殖業を行うに当たりまして、例えば不要となりました、汚れたようなと言うとちょっと語弊があるかもしれませんですけれども、そういった施設を撤去するとか、そういったような事業に対する助成事業ということは組んでいるところでございまして、県当局がそうした漁業権の今後の運用と申しますか、そういったことに当たりましてこうした事業等々をお使いになられるかどうか、これは一義的には漁業者の御意向を伺っていただきながら県の方で御判断していただくべきものではないかと思いますけれども、そういったことがあれば十分に対応するという意味におきまして、大臣からはそういった趣旨で申し上げたということではないかというふうに考えております。
○郡司彰君
最初の方のがちょっとよく明確ではないんですが、県の方は国の方と協議を進めているところでございますというような発言をしておりますが、その国というのは、先ほど言ったように、国土交通省という何かちょっと話も出ていたのでありますけれども、農水省でよろしいんですか
○政府参考人(田原文夫君)
私ども、県の方から具体的に水産庁としてそうした要請が、今日現在の段階におきましてお受けしているという状況ではございません。
○郡司彰君
分かりました。
霞ケ浦というのは全国で二番目に大きな面積を持っているということなんでありますけれども、非常にほかの湖沼と変わった特色があるだろうというふうに昔から言われておりまして、実は平均の水深が四メートルしかありません。一番深いところでも七メートルぐらいしかないというようなことでございまして、そういうような中で霞ケ浦の、環境的な面から見ると霞ケ浦というのはどういうようなことでとらえておけばよろしいのか、環境省の方で、いらっしゃっておりますでしょうか。
○政府参考人(小沢典夫君)
霞ケ浦は、御指摘のように、我が国第二の面積を有する湖でありまして、優れた景勝地であるということで水郷筑波国定公園に指定されております。
生態系という点では、湖岸に自生するアサザなどの希少な水草や広大なヨシ群落等により特徴付けられる植生が見られますほか、希少鳥類でありますオオヒシクイの越冬地となっているなど、良好な湖沼生態系を有している場所であると承知しております。
○郡司彰君
そのようなところで今回コイのヘルペスということが起こって、改めて茨城県も地域の周辺の方々も、これから霞ケ浦というのは例えばどういうような湖として、県民が、あるいは国民という言い方をしてもよろしいんだと思いますけれども、見ていけばいいんだろうというようなことを今考えているところだと思うんですね。
これ、農水省としては、今後、先ほどの話で大体お分かりになったわけでありますけれども、養殖をするとしての対象の湖沼として霞ケ浦を見る場合にはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(田原文夫君)
お答えいたします。
霞ケ浦地区におきますいわゆる小割り式の網生けすコイ養殖漁業、これは、先ほども申し上げましたけれども、霞ケ浦の水を工業用水等に使おうということで、水門の設置等に伴いまして、大体四十年ごろから、従来の河川漁業をこうした作り育てる漁業に変えるという趣旨で漁業権の免許が行われ、今日に至っている経緯であるというふうに承知をいたしております。
他方、霞ケ浦の富栄養化に伴いますいろんな問題ということで、茨城県におかれましては条例も制定されておられるようでございますし、この富栄養化の防止に関する条例に基づきまして、霞ケ浦魚類養殖業指導要領、こういったことも定められながら、例えば放養尾数の適正化ですとかあるいは給餌を必要としない魚種への転換指導ですとか、こんなことをいろいろされておられるという話は承知しているところでございます。
私どもといたしましては、基本的には県当局が、そうした環境の問題と内水面漁業の振興の問題、どう調和されるかということは、これは霞が関におります我々ではなく、正に霞ケ浦を所管しておられる茨城県の地元の住民の方々並びに県御当局がまずどう判断されるのが一義的な、必要なことだというふうに認識しておりまして、私どもは、そうした判断の下で、県当局あるいは地元の漁業者の方々が引き続き魚類養殖をやっていきたいという御意向であれば、私どもでできる限りの御支援をしていきたいと。
先ほど申し上げました、例えば事業名でいたしますと内水面の環境活用総合対策事業もございますし、個々の漁業者の方々に対しましてのいろいろ種苗の手当てのための資金制度ですとか、いろんな金融措置等もございます。こういったことで支援をしていきたいと、かように考えている次第でございます。
○郡司彰君
環境省の方で先ほど霞ケ浦の、どういう湖だということをお話をいただきましたが、霞ケ浦の養殖漁業をもし行うとすると、何かコメントをいただくようなことがございますか。
○政府参考人(吉田徳久君)
お答えをいたします。
今、水産庁長官からもお話ございましたように、環境保全の面からもコイの養殖に伴う汚濁負荷の削減というのは大事になっております。昭和五十九年に成立いたしました湖沼水質保全特別措置法に基づきまして、網生けすを用いるコイの養殖場につきましては、そこからの負荷を極力少なくするように県を通じて指導がなされてまいりました。私どもといたしましては、もちろんその霞ケ浦の水質を保全する一環として、今申し上げましたような養殖に伴う負荷の適正な管理というものも一層充実をしていく必要があると思います。
なお、現在も霞ケ浦の水質は、有機汚濁の代表指標でございますCODにしても、富栄養化の指標でございますN、窒素あるいは燐にいたしましても、まだ満足できる状況にはございませんので、環境省としても、農水省と連携しながら、引き続き霞ケ浦の水質の改善に努めていきたいと思っております。
○郡司彰君
次に、先ほどお話の中にも出てまいりましたが、今年また水温が上がってまいりますと動き出すんではないか、十八度から二十三、四度ぐらいが一番ウイルスにとってはというような話がございましたけれども、これに対する対策というか、今のところ、まだその時期になってみなければ、実際にウイルスは今の時点で死滅しているのかどうかも分からないということなのか、その辺を含めてちょっとお話をいただきたいと思います。
○政府参考人(中川坦君)
これまでの技術検討会におきます専門家の方々の助言を踏まえまして今やっておりますことは、これからの昇温期に備えまして、可能な限り綿密な監視を行って、感染したコイがあればできるだけ早く発見をして、それを淘汰していくと、こういうことが蔓延防止のための必要な措置だというふうに思っているわけでございます。
既に、各都道府県ごとにコイヘルペス病の監視のための地区区分といいますか、そういったようなものを作っていただいておりまして、汚染の可能性の高い地域を重点的に監視をするということが一つの活動でございます。それから、既にコイヘルペス病の発生が確認をされました養殖場などにおきましては、持続的養殖生産確保法に基づきますコイの処分、これはもう既に行っていただいておりますけれども、それに加えまして施設の消毒など、再発あるいは蔓延防止のための確実な措置を取っていただくと。それから三点目としまして、天然水域でありますけれども、ここでこのコイヘルペスウイルス病の発生が確認された場合にはコイの持ち出しを禁止をすると。
こういった、それぞれの状況に応じて、できるだけ早く見付けて、早くそういったものを排除するということ、これしかこのコイヘルペスウイルス病に対する蔓延防止の対策はありませんので、そこのところをきちっとやっていただくということで、今のうちに準備をお願いしたいというふうに思っております。
○郡司彰君
次に、米国からの牛肉輸入の問題についてお話をお聞きしたいと思いますが、大臣、昨日、ボーカス上院議員がおいでになってお話合いをされたということでございます。どのようなお話合いがなされたのかということと併せて、このボーカス上院議員という方はどういう立場を代表するということなのか。大臣がお会いになられたんでありますから何がしかの権限なりを持っていらっしゃるのかなというような気もしないでもないんですが、どういう方だということも含めて、お分かりになればお話しいただけますか。
○国務大臣(亀井善之君)
昨日、ボーカス米国の上院議員とお目に掛かりました。権限はどういうことか、上院の財務委員会ですか、その筆頭をされていると、こういうようなことで、国会議員としてお見えになった。私以外にも、経済産業大臣ですとか官房長官にもお会いになっている、あと、それから外務副大臣等にもお目に掛かっておられると、このように思っております。別に私は、権限は、先方からお会いしたいというお話でございますのでお目に掛かったわけであります。
その中で、お話は、輸入再開は日米双方にとって重要な問題であり、早期の再開に向けて双方努力する必要があると。また、いわゆる国際基準にのっとった科学的な基準と、こういうことを検討し、それによる解決というようなお話が、その必要性をお述べになったわけであります。
私は、かねがね申し上げておりますとおり、ベネマン農務長官あるいはゼーリック通商代表と、ベネマン長官とは電話、あるいはゼーリック通商代表とは直接お目に掛かってお話もいたしました。それは、我が国でやっておりますいわゆる屠畜場におきます全頭検査、そしてさらに特定危険部位の除去、このことを繰り返し申し上げておるわけであります。
そういう中で、科学的な知見と、あるいはOIEに、いろいろその基準のことにつきましてお触れになりましたので、我が国では全頭検査をしていると、さらには、二十三か月、二十一か月、このBSEの感染牛を発見をしたと、こういうことで、消費がかつてもう三割に落ちたのが、今は九割を超えていると。そして、十頭、十一頭、ここで発生いたしましても、その国民の考え方というものは一向に変わっていないと。やはりそれは、我が国の取っておりますこの全頭検査、特定危険部位の除去、これを国民の皆さん方が御理解をしていただいていることだと。
こういう面で、是非米国におきましても、やはり食の安全、安心と、そして消費者が望むものを輸出されるということが基本ではなかろうかと。さらには、科学的な問題でも、先ほど申し上げましたとおり、若齢牛が出ておると。これはやはり、BSEが出ましてまだ二十年に満たないわけでありますので、いろいろな問題が、まだ未解決の分野もあるはずだと。そういう面で、やはり我が国の取っておりますことを再三申し上げたようなわけであります。
なお、ボーカス上院議員はモンタナ州、いわゆる食肉の生産地、民主党の有力議員と、こういうことでありますし、どうも伺いますと食肉産業とのつながりも深い関係者と、このようなことのようでございます。なお、上院の財政委員長をお務めになって、クリントン政権のときには上院の財政委員長もお務めになったと、このように承知をいたしております。
○郡司彰君
午前中も、小斉平議員の方の質問にもありましたように、アメリカも、これまでよりは頭数を増やして調べましょうとか、いろんなことを言ってきてやってきている。一方で、これは昨日の質問の際にはちょっと申し上げなかったことなんでありますけれども、どうもWTOとの関係で、提訴する内容にもなるんではないかというような動きがあるとか、そういうこともあるんだそうでありますけれども、一方、私、日本では全頭検査やっていて、これまでに想像もしなかったような月数のものが出てきたり、それから、決めるときも簡単に決めているということではないんですけれども、全頭、死亡牛の検査を昨年から行っております。
それで、これは実際に委員会の視察で見に行きました。大変な作業ですね、なさっている方々は。私ども行ったときは、非常ににおいや何かも気を遣って相当程度私どもが見やすいようにやっていただいたんですけれども、それでも大変な作業をなさっているということで、そのことによって日本の場合には安心という形を国民の方に与えて、全頭検査あるいは死亡牛の検査で初めて出たということになっても、前々回、いろんなときのような動きにならないということになっているんだと思いますね。
そういうふうなことを含めて、米国のこの検査拡大、そのことによって条件は変わらないというのが今の大臣の発言の趣旨だったというふうに思いますが、改めてその辺のところ、再開の条件は変わらないというようなことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
先ほど申し上げましたとおり、国民の健康保護、そして食の安全、安心と、こういう面、そしてさらには、我が国で取っております対応ということが基本的なことでありますので、そのことを十分踏まえて対応することが適切なことだと、このように考えております。
○郡司彰君
それから関連をして、トレーサビリティー法案でございますけれども、私ども、昨年の法案審議の際にも、これは基本法段階で、国の内外ということにしたではないかと。トレーサビリティーについても、なぜこれがアメリカからの牛肉については必要ないんだというようなことの質問をいたしましたが、当時の大臣の答弁は、検疫体制で十分ですよと。それから、言葉はどうでしょう、未発生国という言葉だったんでしょうか、そういうようなことだから大丈夫だということだったんでありますが、その当時の発言に対して、そしてまた現状、少し前提が違ってきたのではないかなという思いがありますが、大臣の現在の考え方を聞かせてください。
○国務大臣(亀井善之君)
今回の米国におきますBSEの発生に対応いたしまして、米国産牛肉等につきまして直ちに輸入停止をいたしたところであります。
トレーサビリティーの問題、このことにつきましては、当時、このトレーサビリティーシステムの御要請をちょうだいをいたしました。そのときにも私は、BSE未発生国、こういうことで、トレーサビリティーを要求することは国際協定に抵触するおそれが高いんではなかろうかと、こういうことも申し上げたわけであります。やはりその問題は、現実にまだ抵触する国際協定の問題はあると、このように思っております。
したがいまして、このトレーサビリティーシステム法の見直しにつきましてはやはり慎重に検討する必要があるんではなかろうかと、このように考えております。
○郡司彰君
日本の、どういう経路で感染をしたのかというような報告も出されて、その中でも、あのときには、一つは別ですけれども、二つの可能性は、八二年、八七年にイギリスから十四頭ぐらい入ったやつがもしかすると日本で暴露をされるきっかけになったんではないかというようなことがございました。だとすると、アメリカそのものは、イギリスからは日本の十四頭どころではない頭数を輸入をしていたということは、これはもう事実だというふうに大臣もお認めになると思いますし、また日本そのものも、やっぱり時期が、非常に昨年の法案審議と微妙な時期に、アメリカ、カナダに対してどうなんですかという質問書もお送りをしている。そういうことを含めて、私は改めてこのトレーサビリティー法案については修正を含めてお話をするべきではないかというふうに思っておりますけれども、一蹴をされますでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君)
国際協定の問題、これに抵触するというような問題もございますし、その問題につきましては慎重に考えなければならないことではなかろうかと、こう思います。
○郡司彰君
いずれまた、今日は所信でございますのでできるだけソフトにということで心掛けておりますので、改めてまたそのような機会を持ちたいというふうに思います。
次に、時間がございませんので次の質問に移らさせていただきますが、メキシコとのFTAが合意をしたということで、これマスコミの論調も、FTA、日本は後れていたけれどもようやく頑張ったと、これからどんどんFTAを結ぶべきだというようなことが多くて、国としてもあるいは企業としてもチャンスが広がるんだぞというようなことで、おおむね前向きにということが多いんですね。じゃ、大臣の所信の中にも、情報をたくさん集めて間違いがないようにやっていきますよということで、今日はそういう質問をしようということで、昨日も質問のやり取りをいたしました。ところが、大臣の方は「各国の事情等についてできる限り情報の収集分析を行い、」というふうに書いてあるんですけれども、農水省は実は余りやっていないんだよというようなことで、それらに関してはもうほとんど外務省にお聞きをくださいというようなことなんでありますが、それはそれでいいです、これからやろうとすることだというふうに理解をすればよろしいんですけれども、私はちょっと不十分だなという思いがあります。
まずその前に、FTA、メキシコとの合意内容について簡単に御説明いただけますか。
○国務大臣(亀井善之君)
メキシコとのFTAの交渉につきましては、先週の金曜日夜に、日本側からは私のほか、中川経産大臣、川口外務大臣、そしてメキシコ側からはカナレス経済大臣、ウサビアガ農牧大臣が出席いたしまして、テレビ会談を通じまして大筋合意に達したところであります。
その内容、これは農林水産品約千百品目につきましての関税譲許を行うものでありますが、豚肉につきましては、昨年十月、閣僚折衝の合意を基本に、差額関税制度の根幹を維持したほか、そのほかの品目につきましても必要に応じて例外品目あるいは関税割当て経過期間を設定するとともに、二国間セーフガードを導入することとしたわけであります。
農林水産物の関税交渉に当たりましては、農林水産業の多面的な機能への配慮と我が国の食料安全保障の確保や農林水産業における構造改革の努力に悪影響を与えないよう十分留意をして交渉に取り組んできたところであります。
そういう中で、先ほど委員御指摘がございましたが、アジアの国とのFTAの交渉が今進められております。我が省、それぞれ各国ごとにチームを編成をさせまして、私が所信に申し上げておりますとおり、いろいろの情報の分析、また戦略というものをやはり作ってまいらなければならないわけでありまして、外務省というようなことでなしに、我が省がそのような本部組織、対策本部を設置をいたしまして、我が省の機関を十二分に活用してFTAの問題にしっかりした対応をいたしたいと、今、そのいろいろのことを今進めておるところでもございます。
○郡司彰君
メキシコがアメリカと結んだNAFTAというのがありまして、これがFTAの世界のはしりのような感じで言われておりまして、たまたま今回は日本とメキシコでございますから、そのメキシコが既に十年近く前から行っているものがどういうふうになっているかという検証をすべきではないか。どうもFTA、FTAということに草木がなびいて、実際にその起こっていることがどういうことなんだということが余りにも日本の場合には知らされていないんではないかということでお聞きをしたいというふうに思っております。
このNAFTAの検証、メキシコはどうなったのかということで幾つかお尋ねをしたいと思いますけれども、この間の対米貿易内容、それから農山漁村への影響、あるいは農山漁村、農林漁業にかかわらず、生産性あるいは労働コストはどのようになっているのか、また、豚肉の輸入量ということで、特に豚肉が今回メキシコとの関係で話題になりましたので、ここのところは農水省でもって答えをいただけるということでございますから、豚肉の輸入量は農水省、それ以外のところについては外務省でおいでになっている方、お知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々江賢一郎君)
お答え申し上げます。
農業部分については後ほど農水省の方からお願いしたいと思いますけれども、メキシコとアメリカのまず貿易でございますけれども、これは、NAFTAの事務局がございまして、二〇〇三年に統計を発表しておりますが、それによりますと、メキシコの対米輸出はNAFTA発効後大きく増加しておるということでございまして、二〇〇二年のメキシコの米国への総輸出額は千三百六十一億ドルということでございまして、NAFTA発効前、これは一九九三年でございますが、五百八十億ドルに比べますと約二・三倍に増加しておるということでございます。
また、反対に、この米国のメキシコに対する輸出につきましても同様に、NAFTA発効後、これも大きく増加しておるということでございます。数字を申し上げますと、二〇〇二年の米国のメキシコへの総輸出額は千七十二億ドルということでございまして、これもNAFTA発効前、一九九三年のレベルに比べますと約二・一倍に増加しているということでございます。
それから、先生今お尋ねの生産性あるいは労働コストの点でございますけれども、これにつきましては世界銀行の報告がございます。これによりますれば、NAFTA発効後、技術移転が促進されて、メキシコの産業全体の生産性は向上したというような報告が出ております。その中、農業分野では、しかし格差が見られるということで、北部を中心とした輸出志向の農業では生産性の向上が見られたと、他方、南部の小規模の農家はそうした恩恵を受けることはなかったというような報告も出ております。
それから、労働コストにつきましては、これはメキシコの経済省が報告をしておりますが、輸出に関するセクターほど賃金水準が上昇したという報告がなされております。
以上でございます。
○政府参考人(村上秀徳君)
NAFTAの影響、効果でございますけれども、貿易面で、全体的な貿易については今外務省の方からお話があったとおりですけれども、アメリカとメキシコ間の農産物の貿易についてはNAFTA発効後大きく増加しておりまして、二〇〇二年のアメリカからのメキシコへの農産物輸出額は約七十二億ドル、約九千億円ということで、NAFTA発効前の一九九三年の約二倍に増加しているところでございます。また、メキシコの米国への農産物輸出額は約五十億ドル、約六千九百億円ということで、これもNAFTA発効前の約二倍に増加しているということでございます。
品目別では、米国からはトウモロコシ、小麦、大豆、牛肉、豚肉などの輸出が増加しております。このうち、今、委員御指摘の豚肉につきましては、アメリカから輸出額は約一億二千万ドル、約百五十億円、約七万七千トンということで、NAFTAが発効する前の約二・九倍、数量では約三・七倍に増加しているということでございます。他方、メキシコからは、トマトなどの野菜、それからブドウなどの果実の輸出が増加しているということでございます。
以上でございます。
○郡司彰君
皆様のところに委員長のお計らいで資料を配らせていただいておりますが、大臣、この資料でございます。(資料提示)これは、NAFTAの教訓ですよということでこういうグラフがあったんでありますけれども、メキシコの自給率、かなり、元々低くなってきていたんでありますが、右の方に一九九三年というのがNAFTAが発効した年でございます、それ以降メキシコの自給率はここまで下がってきているというようなことなんですね。
それで、今農水省の方から、例えば豚肉の輸入量はアメリカからどのぐらいあるんですかというと、七万七千トンだそうでございます。今回、日本がメキシコからの豚肉の輸入で枠を設けて、一定関税を低くしようと言ったのは八万トンだったですね。余りにもいい数字で合うわけでありますけれども。
それから、先ほど外務省の方もお話をいただいた、それから農水省の方からもお話をいただきましたが、この貿易は確かに相当増えているんですね。しかし、おおよそのところは、米企業の企業内の貿易というような数字が非常に多いんですね、これは。
労働コストについては、二三・二%メキシコで下がったということになっております。これはほかのアメリカもカナダも一緒なんですね。それで、世論調査をやりましたところの数字を見ると、六割から八割の方が、これはNAFTAは失敗だと、やめろという答えの方が多いんですね。
こういうふうな数字を見てみると、先ほどの数字は、それは私も事実の数字だろうというふうに思います。しかし、中身が全然違う。例えばカナダに対するグリーンフィールドの投資、新しい工場を作って雇用をやるというようなことではなくて、投資先というのはほとんどもう合併とか買収ですよ。ですから、新たな工場ができて新たな雇用をするなんということがほとんどない。しかも今回の場合は、これメキシコの場合で見ますと、これは新規雇用は増えているんです。大変に増えているんです。しかし、その五五%は法定基準を満たしていない。社会保険、社会保障。それから、休日年間十日も満たしていない。それから、日本で言うところのボーナスが、向こうで言うクリスマスボーナス、これもほとんどゼロとか、大変にこの労働条件が悪くなっている。それから、農業の関係だけでいうと、全体で農業そのものは、食品の価格は二五七%上昇したんだけれども、農業収入は一八五%しか上がっていないというようなことになってくる。国や企業は非常にFTAにとってメリットがあったけれども、そこに住んでいる人たちにとってはかなり厳しい条件の就労になっていたり、そういうことがある。
それから、メキシコとアメリカの関係だけからいいますと、その国境地帯、マキラドーラという何か独特の地帯がありますね。そこのところの輸出それから原油の輸出、これが輸出全体の五四%になっているんですよ。ですから、今までも、NAFTAのメキシコとアメリカの関係を見れば、その地域からは、黙認をされていたものが数字になってはっきり出るようになったから、大変多くなっている。それも、貿易そのものの数字も大きくなってくるけれども、ほとんどアメリカの企業が買収をしたことによって企業内のトレードですよ。
こういうふうなところを多分外務省の方も御存じなんだと思いますけれども、今私の方で申し上げたような中身は違っておりますか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君)
ただいま先生が引用されました数字については、私どもいろいろな数字を聞いておるわけでございます。アメリカの研究所でも、どちらかというと、このNAFTAの雇用に与える影響についてやや消極的にとらえている分析もありますし、他方、これはある面で当然でございますけれども、アメリカ政府はむしろこれを非常に積極的にとらえた評価あるいは数字を公表しているというようなこともございます。
例えば、アメリカのUSTRなどは、アメリカからメキシコへの投資残高というのは九三年の百五十億ドルから約五百億ドルと相当な数字でございますから増えているということで、これによって米国人の平均的な所得増加というのは大変多く増えていると。これに、アメリカに裨益している、こういうことを言っているわけでございます。
もちろん、その中には企業内の取引もあると思いますし、ですからこの経済的な所得効果というものがどの階層のどの人たちに及んでいるかということは当然あると思いますけれども、少なくともアメリカの政府は、これは全体として経済的効果はプラスであるという評価をしているということも是非御理解いただきたいと思います。
○郡司彰君
NAFTAを、NAFTAじゃなくてFTAをやるなという立場に私も別に立っておりません。しかし、国や企業が潤うということに合わせてそこに住む人たちも潤うような形を何とか探していかなければいけないだろうという思いは強いわけでありますけれども、例えばこれは農業だけで見ましても、メキシコの関係でありますけれども、一九九三年から二〇〇二年の間、コーンと菜種の輸入が八百八十万トンから二千三十万トンに増えている。それから、先ほど言った肉もそうで、食肉とか果実、これも相当程度実はアメリカからの輸入が増えているんですね。
先ほど大臣、豚肉の日本とメキシコの関係は八万トンということでもっていろいろこの数字が出されていて大変だったというような論調が多いんでありますけれども、その同じほとんど数量、七万七千トンがアメリカからメキシコに入ってきている。これは玉突きで、結局はアメリカがもうかる機構になっているんではないかというような思いがありますが、どうでしょうか。
○政府参考人(村上秀徳君)
メキシコの豚肉の全体的な需給でございますけれども、手元にございますFAOのデータによりますと、メキシコの豚肉の生産は二〇〇三年で百八万トンという状況でございます。
それから、今、先生御指摘のとおり、アメリカからかなりの数量を入れております。他方で、輸出が五万トン程度あったというふうに考えております。
そういう中で、輸出にかかわる関係の州というのが三州ほどございますけれども、企業経営をしているような場合が多いわけでございますが、その中にはいろんな形態がございまして、必ずしもアメリカからの玉突きということではなくて、この輸入の、このFTAの枠でございますけれども、これについては当然原産地規則を決めておりまして、メキシコ産の豚とそれから生産された豚肉ということを規定しているところでございます。
○郡司彰君
私は、アメリカという国自体がどうのこうのというような思いを持っているわけではありませんので。
次に、例えばアメリカはどういう影響が出ているのかということで外務省さんにお聞きをしたいというふうに思いますが、アメリカにはNAFTA失業者への政府給付というのがあるんだそうでありまして、受給者、どのような人数になっているんでしょうか。また、どういう人に対して支給をされているのでありましょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君)
今、先生御指摘になられました制度は、NAFTA協定に基づく失業給付と言われる米政府の導入した移行調整支援プログラムということをお話しされているんではないかと思いますが、もしそういうものであるとすれば、これは基本的には、このNAFTAの締結に伴いまして、NAFTA締結国からの輸入急増や、あるいはこれらの国に生産拠点が移動したために職を失ったと、あるいはそればかりではなくて就業時間が削減されたと、そういう米国の労働者に対して支援するプログラムであるというふうに理解をしております。
この実態でございますが、失業給付件数等の詳細については、必ずしもすべてを把握しているわけではございませんが、一つのデータとしてアメリカの民間の研究所のまとめた報告によりますと、一九九四年のNAFTAの発効後、二〇〇一年までの給付件数は約三十七万件あるというふうに承知をしております。で、産業別に見ますと、特にこのうちアパレル産業において約十万件、その他金属加工機械産業、輸送機器産業において約十三万件の給付があったということがこのレポートに書かれているということを承知しております。
○郡司彰君
今おっしゃっていただいた内容で、給付の内容、相当厳しいんだそうでありますけれども、二〇〇二年まで一年ちょっと延びると、今現在四十一万三千百二十三名が受給をされているそうであります。相当厳しい受給資格でありますので、実態的にはかなりの更に失業者が出ているんではないかなというふうに思います。
次に、さきにこのメキシコとの関係より以前に日本とシンガポールの間で新時代の経済連携協定というものが結ばれておりますけれども、私は農産物の問題の関心からでありますけれども、どうもこの日本で余り出てこないけれども、投資ルールに伴っての紛争、係争というのが多いんではないかなというような思いを持っておりまして、この投資ルールの問題点と、内国民待遇でありますとか、あるいは投資環境の整備ということに関していろいろの係争等が起こっているというようなことも聞いておりますけれども、どういう現状でしょうか。
○政府参考人(佐々江賢一郎君)
先生、今シンガポール協定のことを言及になられましたけれども、これはNAFTAにも同様の投資に関する規則がございます。大体、諸外国のこの種の協定には投資に関する規定あるいはその紛争処理に関する規定があるわけでございます。一般的には、原則として内国民待遇を与える、あるいはこの投資を認める条件として現地調達等一定の保護的な義務を課すことを禁止する、あるいは、投資家とこれは主として国でございますが、紛争処理等が規定されるということで、この投資の保護と同時に自由化に関する規定が設けられているということでございます。基本的にはこの種の規定を通じまして投資を促進する、あるいは自由化を促進するということで、これが結果的に経済成長あるいは活性化につながるということで各国ともこういう規定を設けているということでございます。基本的には、このメキシコでもそうでございますが、そのほかのASEAN諸国等の協定におきましてもこのような基本的な投資の枠組みというものが必要であるというふうに考えております。
具体的なこの紛争の状況についてお話がございますけれども、少なくとも、日・シンガポール協定を結びました結果、何かこの協定上の紛争処理をしなければいけないという状況にはございません。むしろ、この協定の結果として、日本からシンガポールに対する大型投資、あるいはシンガポールから日本に対する投資は増大しておりまして、この結果として双方向の投資が増大される効果をもたらしているというふうに考えております。
○郡司彰君
今のところそういうケースが出ていないということでありますが、これ、NAFTAの場合は、例えばエチル社とカナダ政府の関係で、私どもこれ見ると何でこれカナダ政府が悪いのか分からないような内容でありますけれども、いずれにしても投資環境が不整備なんだというようなことなんでしょう。一千三百万ドル、カナダ政府がエチル社に払ったとか、それからメタルクラッド社とメキシコ政府の関係では、これも同じような有害廃棄物処理場の埋立地の拡大をその会社が申請をして、それは国内法に照らして駄目なんだということだったんだけれども、結果として裁定は千五百六十万ドル、メキシコ政府がメタルクラッド社に払ったとか、大変な係争が起きているわけです。
これ、日本もシンガポールと結んだということは、シンガポール国籍の方が一名でもいれば内国民待遇の裁判も起こるというようなことになるわけでありまして、今後これ農産物の関係も含めていろいろなケースが出てくると思いますので、農水省としても、大臣が言われているように、情報収集その他をきちんとやっていかなければいけないんではないかなというふうに思っております。
それから、外務省さんおいでになっていらっしゃいますが、最後に、労働市場の開放ということがちょっと出ておりますが、これ、労働市場の開放、今どういうことが議題になっているのか。私としては、農業分野の例えばオペレーターとかそういう方も技術者とかという枠でもってそういう交渉の枠組みに入れば入ってもらいたいなという思いがあるんですが、その労働市場の開放ということに関してはどういうことなんでありましょうか。農業の技術者というのはそこに入るというようなことにはなっておりますでしょうか。
○政府参考人(太田信介君)
我が国は農業分野においても外国人に対します研修・技能実習制度を実施しております。これは、研修生の送り出し国への技術移転を通じた我が国の国際貢献の一環という位置付けで行っておるものでございます。
農業分野におきます外国人労働者の受入れにつきましては、国際競争力の強化の観点から、コスト削減を図るための方策として、作目によりましてはメリットがあるとの見方もございます。しかしながら、一方で、社会的な受入れ体制の問題や我が国の農業技術等の流出など懸念も大きいと考えられ、慎重な考慮を要する問題であるというふうに受け止めております。
いずれにいたしましても、外国人労働者の受入れにつきましては政府全体として十分検討されるべきものというふうに考えております。
○郡司彰君
時間がなくなっておりますが、大臣、担い手が大宗を占めるような形に持っていきたいということは基本だろうと思うんですね。その担い手というのはこの所信の中には特に出ておりませんが、約四十万戸ぐらいの、株式会社とか法人とかも含めてそういう数を頭に置きながらというような話がこれまでも出されております。四十万というのは個人ではなくて経営体だというようなことでとらえると、それが生産の大宗を占めるような労働力の確保というのは大臣のそのお考えの中ではどのようなイメージとしてお持ちになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(亀井善之君)
四十万、それ個人経営とそして農業生産法人と、そういう面で四十万というような経営体を考えておるわけであります。その中で、農業生産法人あるいは認定農業者、こういうような形で考えていると、そのほかは家族経営というような形の数字というものが四十万以外に長短があると、こういうことであります。
○郡司彰君
実態としては、先ほど段本議員のところで現場に農水省の方もどんどん行った方がいいんじゃないかという話がありましたが、私、農業センサスが出されると、非常にこれは、それぞれもっと細かい形の範囲で農業センサスが出されて、それに基づいて地域の農業がいろいろ具体化されるというようなことが望ましいんではないかというふうに思っているんですが、例えば県内のそういう数字をいろんなところを見ても、かなりその数字が実態とそぐわないようなものとして出てくるものが多いんですね。
それはどういうことによってそういうことをもたらすのかというと、出されたその調査票にそのまま素直に書いていいものかどうかというような実態が多分にあるんだろうというふうに思うんです。そこは厳密な話をすれば、難しいその外国人労働力をどうするんだとか、それは法務省の問題ではないかというようなこともあろうかと思うんですが、私はなかなか、経営体として人を雇うということになると、幾らかでも生産性を高めるためには安い労働力を探すということに走らざるを得ない。
それから逆な意味に、国が進めている構造改善で、農業も水田だけじゃないんですよと、それ以外のところにということになると、これはもう単純に言えば、いかに労力をぶち込むかによってその生産性に跳ね返ってくると。そういう単純な図式になる地域というのは結構多いんですね。
だとすると、その労働力の確保についてもう少し、前にもお願いをしたのでありますけれども、真剣に、この外国人の技術者というようなものとか、今は受け入れている研修生という形を取っておりますけれども、もう少しルールを早め早めに作るということをしないと、私はちょっとそれぞれの地域で生産ということに関して追い付かないようなものが出てくるんじゃないかと思っておりまして、最後にまた、重ねてで恐縮ですけれども、早期に農水省としてもその労働力の確保について取り組むんだというような決意とお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君)
できる限り国内での農業者によりまして農業が確立できるような施策を進めると、このことが基本であるわけでありまして、そういう面で今回、基本計画の見直しと担い手あるいはまたやる気と能力のある農業者をしっかり支援をして後押しをしようと、こういうようなことを今進めておるわけであります。
基本的には、我が国の国内での農業者を、いろいろハローワーク、新規の就農、こういうようなことにも意を注いでおるわけでありますが、そのような中で考えてまいりたいと。外国人のその労働者等につきましては慎重な考慮が必要ではなかろうかと、このように思います。
○郡司彰君
終わります。
第159回通常国会参議院農林水産委員会(2004.3.16開会)